技術動向と次世代ネットワーク

技術動向と次世代ネットワーク

IOWNとは

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、NTTが推進する次世代通信基盤構想です。従来の電気信号ベースのネットワークから、光信号ベースのネットワークへの転換を目指しています。

IOWNの目標は、消費電力の大幅削減、超低遅延、大容量化を同時に実現することです。2026年には光電融合スイッチの商用化が予定されており、通信業界に革命をもたらすと期待されています。

光電融合技術

光電融合スイッチとは

光電融合スイッチは、光信号と電気信号を融合させた次世代のネットワーク機器です。従来のルーターやスイッチは電気信号で処理していましたが、光信号のまま処理することで以下のメリットがあります。

  • 消費電力:従来比100分の1
  • 遅延:現在の100分の1以下(1ms以下を実現)
  • 伝送容量:現在の125倍

2026年商用化予定

NTTはBroadcom社と連携し、2026年第4四半期に光電融合スイッチを出荷予定です。まずはデータセンター向けに展開し、その後一般ネットワークにも適用される見込みです。

現在のインターネット基盤の課題

現在のインターネット基盤は、以下の課題を抱えています。

  • 消費電力の増大:AI時代のデータセンターは膨大な電力を消費
  • 遅延の問題:自動運転、遠隔手術など超低遅延が求められる用途に対応困難
  • 帯域幅の限界:8K動画、VR/AR、メタバースには現在の技術では不足

IOWNは、これらの課題を根本的に解決する技術として注目されています。

IOWNのユースケース

IOWNが実現する次世代サービスの例を紹介します。

  • AIデータセンター:低消費電力で大規模AI処理を実現
  • 自動運転:超低遅延通信で車両間通信を高速化
  • スマートシティ:都市全体のIoTデバイスをリアルタイム制御
  • 遠隔医療:遅延ゼロの遠隔手術を実現
  • メタバース:高精細VR空間での快適な体験

実用化へのロードマップ

IOWNは段階的に実用化が進んでいます。

  • IOWN 1.0(〜2025年):基礎技術の開発と実証実験
  • IOWN 2.0(2026年〜):光電融合スイッチの商用化
  • 2030年代:全国規模での展開、6G時代の基盤技術に

グローバル展開

IOWNは日本発の技術として、国際標準化を目指しています。NTTは海外の通信事業者や機器ベンダーと連携し、グローバルな展開を進めています。

日本が次世代通信技術で世界をリードする可能性を秘めた、重要なプロジェクトです。

まとめ

IOWN構想は、インターネット回線サービス業界の根本的な変革をもたらす技術です。2026年の光電融合スイッチ商用化を皮切りに、2030年代には全国規模での展開が期待されています。

消費電力100分の1、遅延100分の1、容量125倍という革新的な性能により、AI、自動運転、メタバースなど、次世代サービスの基盤となるでしょう。

日本発の次世代通信技術として、IOWNの動向に注目が集まっています。