用語集

用語集

気候テック・クリーンエネルギー用語集

気候テック・クリーンエネルギー業界の専門用語をカテゴリー別に解説します。

技術基盤(technical-infrastructure)

FTTH

Fiber To The Homeの略称で、光ファイバーケーブルを直接一般家庭や事業所まで引き込むブロードバンドサービス形態。従来のADSLやCATVと比較して大容量・高速通信が可能で、現在の固定ブロードバンド市場の主流となっている。日本では2023年3月末時点で4,104万契約を突破し、市場全体の

IPv6 IPoE方式

IP over Ethernetの略で、従来のPPPoE方式に代わる次世代インターネット接続方式。網終端装置を経由せず直接インターネットに接続することで、混雑時でも高速・安定した通信を実現する。現在1,615万回線が利用しており、夜間の速度低下問題を根本的に解決する技術として急速に普及している。

10GBASE-T

IEEE 802.3anで規格化された10Gbps対応のイーサネット技術規格。カテゴリ6A以上のUTPケーブルを使用して最大100メートルまでの伝送が可能。10ギガ回線サービスの技術基盤として採用されており、一般家庭向けの超高速通信環境実現の鍵となる技術要素である。

XG-PON

10ギガビット対応パッシブ光ネットワーク技術。従来のGE-PONの10倍の伝送容量を持ち、下り最大10Gbps、上り最大2.5Gbpsの高速通信を実現する。FTTH網の高速化において重要な役割を果たし、10ギガ回線サービスの技術的基盤として各事業者が導入を進めている光アクセス技術。

MAP-E方式

Mapping of Address and Port using Encapsulationの略で、IPv4 over IPv6技術の一種。複数のユーザーで1つのIPv4アドレスを共有し、ポート番号により区別する仕組み。JPNEなどのVNE事業者が「v6プラス」などのサービス名で提供しており、IP

DS-Lite方式

Dual-Stack Liteの略で、IPv4 over IPv6技術の実装方式の一つ。IPv4パケットをIPv6トンネルでカプセル化して転送する仕組み。インターネットマルチフィードなどが「transix」「v6コネクト」のサービス名で提供している。一部のオンラインゲームやVPNでポート制限が発生す

サービス形態(service-models)

光コラボレーションモデル

2015年に開始されたNTT東西の卸売サービス。フレッツ光の設備を他の通信事業者に卸売りし、各事業者が独自ブランド・料金・付加サービスで顧客に提供できる仕組み。ドコモ光、ソフトバンク光などが代表例で、現在FTTH市場の約58%を占める。参入障壁を大幅に下げ、市場競争を活性化させた画期的なビジネスモデ

スマホセット割

固定回線とモバイル回線を同一キャリアで契約することで適用される月額料金割引サービス。ドコモ光セット割、auスマートバリュー、おうち割光セットが代表例で、1回線あたり最大月額1,100円の割引が家族全員に適用される。現在FTTH契約の60%超が利用しており、顧客囲い込みの重要な戦略ツールとなっている。

ホールセールモデル

インフラ保有事業者が設備を他の事業者に卸売りするビジネスモデル。NTT東西が光ファイバー網を光コラボ事業者に提供するのが典型例。設備投資リスクを分散し、安定した卸料金収入を得られる一方で、直接の顧客接点を失うトレードオフがある。通信業界の水平分業を促進する重要な仕組み。

トリプルプレイ

インターネット、固定電話、テレビ放送の3つのサービスを一体で提供するパッケージサービス。主にケーブルテレビ事業者が得意とする分野で、JCOMが代表的な事業者。顧客にとっては請求一本化や割引メリットがあり、事業者にとってはARPU向上と解約率低減が期待できる統合サービス戦略の基本形。

Fixed Wireless Access

固定無線アクセスの略称で、5Gなどの無線技術を使用してブロードバンドサービスを提供する方式。SoftBank Airやhome 5Gが代表例。光ファイバー敷設が困難な地域でも高速インターネット環境を提供でき、工事不要で導入できる手軽さが特徴。デジタルデバイド解消の重要な技術手段として注目されている。

規制・制度(regulatory-framework)

電気通信事業法

日本の通信事業を規制する基本法律。通信の自由の保障、公正競争の促進、利用者保護を目的とし、総務省が主管官庁として運用している。事業者の参入規制、設備共用、料金規制などを定め、通信市場の健全な発展を支える法的基盤。MVNOの活性化やスマホセット割の適正化など、市場環境の変化に応じて継続的に改正されてい

総務省市場検証

総務省が毎年実施する「電気通信事業分野の市場検証」レポート。MNOとMVNOの競争環境、固定ブロードバンド市場のシェア分析、料金の透明性、スマホセット割の影響などを詳細に分析している。公正競争の確保と消費者保護の観点から政策立案の基礎資料となる重要な調査で、業界動向を把握する上で欠かせない情報源。

網終端装置

PPPoE接続においてISPとNTT網を接続するネットワーク機器。処理能力の限界により、夜間・週末などの混雑時間帯に速度低下を引き起こすボトルネックとなっていた。IPoE方式の登場により、この機器を経由しない直接接続が可能となり、従来の速度問題が根本的に解決された通信業界の技術的課題の象徴的存在。

ユニバーサルサービス

国民誰もが公平に利用できるべき基礎的通信サービス。現在は固定電話、公衆電話、緊急通報が対象で、採算性に関わらず全国で提供される。その維持費用は全事業者が契約数に応じて負担する仕組み。ブロードバンドサービスの対象化について議論されており、デジタルデバイド解消の観点から制度拡充が検討されている。

市場動向(market-trends)

ARPU

Average Revenue Per Userの略で、1契約あたりの月間平均収益を示す通信業界の重要指標。契約数の伸びが鈍化する中、各事業者はより高速なサービスへのアップグレード促進、付加サービスの提供、スマホセット割によるクロスセル効果などでARPU向上を図っている。ビジネスの収益性と成長性を測

チャーンレート

一定期間における契約解約率を示す指標。通信業界では顧客維持の重要性を測る基本的な数値として重視されている。スマホセット割により固定・モバイルの両方を契約している顧客のチャーンレートは極めて低くなることが知られており、事業者の顧客囲い込み戦略の効果を測定する上で不可欠な指標。

ライフタイムバリュー

Life Time Valueの略で、顧客が契約期間中に事業者にもたらす総収益額。通信業界では初期投資(販売手数料、工事費など)を回収し、長期的な収益を確保するため重要視される。スマホセット割により平均契約期間が延び、追加サービス利用も促進されることで、LTVが大幅に向上する効果がある。

デジタルデバイド

情報通信技術へのアクセス格差を指す概念。地域間、世代間、所得間での情報格差が社会問題化している。政府は「デジタル田園都市国家構想」を推進し、条件不利地域でのFTTH整備支援、5G・ローカル5G・FWAによる代替手段の提供など、格差解消に向けた施策を実施している。

事業戦略(business-strategy)

クロスセル戦略

既存顧客に対して複数のサービスを販売する戦略。通信業界では固定回線契約者にモバイル回線を、モバイル契約者に固定回線を提案するのが典型例。スマホセット割がその主要な仕組みで、ARPU向上と顧客維持の両方を同時に実現できる効果的な事業戦略として各社が積極的に展開している。

エコシステム戦略

通信サービスを起点として、電気・ガス、動画配信、金融、IoTなど多様なサービスを統合提供する事業戦略。楽天経済圏やPayPayエコシステムが代表例。顧客の囲い込み効果が高く、単体サービスでは実現できない競争優位性を構築できる。デジタル化の進展に伴い、プラットフォーマーとしての地位確立が重要な戦略課題

ベストエフォート

通信事業者が技術的に可能な範囲内で最大限のサービス提供を行うが、特定の品質を保証しない提供方式。「最大1Gbps」「最大10Gbps」などの表示で使われ、実際の速度は利用環境や時間帯により変動する。消費者にとっては期待値と実測値のギャップが生じやすく、事業者には品質向上への継続的な投資が求められる課

次世代技術(next-generation-technology)

IOWN構想

Innovative Optical and Wireless Networkの略で、NTTが推進する次世代通信基盤構想。光電融合技術により従来の電気信号ベースから光信号ベースのネットワークへ転換し、消費電力100分の1、遅延100分の1、容量125倍を目指す。2026年の光電融合スイッチ商用化を皮

光電融合技術

光信号と電気信号を融合させた次世代ネットワーク技術。従来は光信号を一度電気信号に変換して処理していたが、光信号のまま処理することで劇的な性能向上を実現する。NTTとBroadcomが連携し、2026年第4四半期の実用化を目指している。AI時代のデータセンター、自動運転、メタバースなどの基盤技術として

G-PON技術

Gigabit-capable Passive Optical Networkの略で、NURO光が採用する独自の光アクセス技術。下り最大2Gbpsの高速通信を実現し、従来の1Gbpsサービスを大きく上回る性能を提供する。パッシブ光ネットワーク技術の一種で、1本の光ファイバーを複数の利用者で共有しなが

5G SA

5G Standalone の略で、5Gコアネットワークを使用した真の5Gサービス形態。従来のNSA(Non-Standalone)方式と異なり、4Gインフラに依存せず5G本来の超低遅延・大容量・多接続の性能を発揮する。FWAサービスの高度化や、将来的な固定・モバイル融合サービスの基盤技術として重要

ローカル5G

企業や自治体が特定エリアで独自に構築・運用する5Gネットワーク。全国キャリアの5Gサービスとは独立して運用され、工場の自動化、農業IoT、スマートシティなど特定用途に最適化されたサービス提供が可能。デジタル田園都市構想の一環として、地方での高速通信環境整備手段として注目されている。

競合環境(competitive-landscape)

MNO

Mobile Network Operatorの略で、自前の無線ネットワーク設備を保有・運用する移動体通信事業者。日本ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社。固定回線事業においても、スマホセット割を武器に大きな市場シェアを獲得しており、通信市場の競争をリードする主要プレイヤーと

MVNO

Mobile Virtual Network Operatorの略で、MNOから無線ネットワークを借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者。いわゆる格安SIMの提供主体。自前設備を持たないため低価格でサービス提供できるが、MNOのスマホセット割戦略により競争が激化している。総務省は公正競争の観点

VNE事業者

Virtual Network Enablerの略で、IPv6インターネット接続サービスを提供する事業者。JPNE、インターネットマルチフィード、NTTコミュニケーションズなどがあり、それぞれ「v6プラス」「transix」「OCNバーチャルコネクト」等のサービス名でIPv6 IPoE接続を提供して

ISP

Internet Service Providerの略で、インターネット接続サービスを提供する事業者。OCN、@nifty、BIGLOBE、So-netなどの老舗事業者に加え、光コラボモデル以降はドコモ、ソフトバンクなどのMNOも参入している。IPv6 IPoE対応、セキュリティサービス、サポート体

電力系通信事業者

電力会社系列の通信事業者で、地域密着型のサービスを提供。関西電力系のeo光、中部電力系のコミュファ光、四国電力系のPikara、九州電力系のBBIQなどが代表例。独自の光ファイバー網を持ち、地域特化のサポート体制と、電力とのセット割、auスマートバリュー対応により競争力を維持している。